名古屋高等裁判所金沢支部 昭和27年(う)152号 判決
被告人の本件賍物故買罪の本犯たる所論朴在龍が他の犯罪についての確定判決に因り所論の期間一年以上に亘り拘禁せられていた反面において更に起訴せられた本件窃盗罪につき右拘禁中一年以上に亘り犯罪事実の否認を続けた後初めて自白したことが所論の通りであつても、同人の本件窃盗犯罪の自白は憲法第三十八条第二項の不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白ということが出来ない。何故ならば同人が拘禁されたのは他の犯罪についての確定判決に因るものであり本件窃盗犯罪による拘禁ではないからである。よつて原審が被告人の原審共同被告人である右朴在龍の所論自白を被告人の本件賍物故買罪認定の証拠としたことをもつて憲法に違反するものと為す所論は他の点について顧みるまでもなく既に右の点で失当である。論旨は採用に値しない。
(註 本件は量刑不当により破棄自判)